Topics

1/10RC 4WDレーシングバギー アバンテ (2011)
いつまでもアバンテが憧れの存在である理由

Text/Kazuma NOMOTO

2024.08.07

伝説的名車「アバンテ」の愉しみ方

『アバンテ』という名前を聞いて思い浮かぶのは「最上」というフレーズである。初代がリリースされた1988年。当時の技術の粋を集めて開発されたという謳い文句に、多くの子供たちは憧れの視線を向けていたものである。

そんなアバンテが再び登場する。1988年当時のモデルから各部をブラッシュアップし、さらに進化した復刻版「アバンテ(2011)」が再販されるのである。そもそもアバンテ新車販売当時から最高峰モデルであり、生産台数も少ない希少な存在。2011年に復刻モデルとして登場したアバンテ(2011)もファンにとっては長年の要望がようやく実現した結果なのである。当然、復刻版も瞬く間に人気となる。「いつかはアバンテを」と少年時代に抱いた夢は、大人になれば叶えられるという単純なものでもなく、常に品薄状態のレアモデル。だからこそタミヤRCファンの間で伝説的存在であり続けている。

1/10RC 4WDレーシングバギー アバンテ (2011)

待ち望んだファンには、再販されるこのチャンスを逃さずに念願の1台を手に入れてほしいものである。

そんなアバンテを改めて見返してみれば、その流麗なボディフォルムと強度を高めるカーボン製シャーシに金属製ダンパー。アップライトやモーターなど外観からは隠れる部分に散りばめられたゴールドのアクセントなど、数ある名車の中でも、やはり別格の存在感である。

もはや畏敬の念すら感じるアバンテのディテールのなかで筆者が個人的に最も「崇高である」と感じるのがカムロック式ホイール。六角レンチでナットを締め付ける一般的なタイプと異なり、工具不要で脱着できる機構はタミヤの全ラインアップを見渡しても唯一無二。

実車の世界で言えば4穴(5穴)のナットでホイールを固定するのではなく、中央1つのナットで締めるセンターロック式を採用するレーシングマシンのような。1秒を争うレースの世界だからこそ求められる特別なディテールに、ワクワクを通り越して“ゾクゾク”しちゃうところである。

走らせずとも各部を眺めているだけでも充分と思えるアバンテ(2011)。恐らく筆者なら組み上げたマシンを眺めながら、ホイールを外しては着けて、外しては着けて。アバンテをつまみにゆっくりとお酒を嗜むことだろう。

↑(左)工具無しで脱着ができるカムロック式ホイール/(右)走行時のシャーシ保護などスキッド性能に優れたポリカーボネート製アンダーカバー。ホイールやシャーシ裏を眺めるだけでも楽しめる。

↑(左)アップライトは強度の高いアルミ削り出し。ダンパーシリンダーも金属製と強度が高められている/(右)搭載する25Tモーターに貼られる車名入りのゴールドラベルも特別感を演出するディテール。

↑(左)シャーシはカーボン製でリアダンパーステーも3.5m厚のカーボン製。アルミ製マウントブロックとの組み合わせで高い強度を誇る/(右)3分割タイロッド式のステアリングパーツも金属製。ショックを吸収してアームを保護するラジアスアームプロテクターも装備。

↑(左)前後のサスペンションジオメトリーは充分なロードクリアランスを確保するように設計されている/(右)ポリカーボネート製リアウィングは角度を5段階で調整可能。ジャンプ時の姿勢制御セッティングで効果を発揮する。

ページトップへ戻る